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印光法师文钞

淨空法師|『群書治要』を学び救世の使命を担う

主辦單位:馬來西亞中華文化教育中心 教育化解危機座談會
主講者:淨空老教授
時間:二〇一二年八月四日
地點:馬來西亞吉隆坡 金馬皇宮
主催:マレーシア中華文化教育センター 「教育は危機を解消する」座談会
講演:浄空老教授
日付:2012年8月4日
場所:マレーシア・クアラルンプール、パレス・オブ・ザ・ゴールデンホーシース(Palace Of The Golden Horses)

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大家好!淨空承蒙丹斯里李金友先生的邀請,有幸參加馬來西亞華校校長聚會, 我們欣喜地看到馬六甲的漢學院業已開工,預定兩年建成,將正式招生,這是廿一世紀的第一樁大事! 納吉首相在去年漢學院的動土典禮中致辭說:「馬來西亞漢學院的建立將有助於傳授一種教育理念,不僅是推廣卓越的學術,而且是推廣人類不可或缺的價值觀」。

尊敬するタン・スリ[1]李金友先生、マレーシア華人の校長・先生各位、マレーシア中華文化教育センターの諸先生方、ご来賓の皆様: 様こんにちは!浄空はタン・スリ李金友先生にお招きいただき、幸運にもマレーシア華人学校の校長会に参加することができました。私たちはマラッカ(Malacca)の漢学院がすでに着工しているのを見て嬉しく思っています。これは二年で完成させ、正式に学生を募集する予定です。これは21世紀における大事です!ナジブ首相[2]は昨年、漢学院の着工式典で、「マレーシア漢学院の設立は、教育理念を伝授して、卓越した学術を普及させるだけでなく、人類にとって欠くことのできない価値観を普及させることに役立つものである。」と仰いました。
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[1]タン・スリ(Tan Sri)・・・・マレーシア国王から授けられる最高位の称号。
[2]ナジブ・ラザク(Mohd Najib bin Tun Haji Abdul Razak)・・・・マレーシアの第6代首相。

淨空為馬華慶祝!因為馬華的校長和老師們,將承擔起振興漢學、救世救民的神聖使命。願以六十年學習中華傳統文化、大乘佛學、聖賢教育之心得,向諸位仁者請教。

浄空はマレーシア華人の方々にお祝い申し上げます!マレーシア華人の校長と先生方は、漢学の振興、そして救世救民の使命を担われたのです。私が六十年学んだ中国の伝統文化、大乗仏教学、聖賢教育の心得を、仁者であられる皆様にお教えいただきたいと願っております。

一、人類危機的出路人類の危機からの活路|人類の危機からの活路

今日人類社會危機重重——氣候危機、能源危機、糧食危機、環境污染、戰爭衝突、恐怖事件日益嚴重,究其根本,總因在於「人心壞了」,皆由我們疏忽了人性本善、倫常道德的教育之所致。左傳曰:「人棄常則妖興」。管仲曰:「(禮義廉恥)四維不張,國乃滅亡」。早在兩千多年前,孟子向梁惠王說明治亂之道:若各國君王只關心怎樣有利於自己的國家,大夫只關心怎樣有利於自己的封邑,士人百姓只關心怎樣有利於自身,則「上下交征利,而國危矣」:當一個國家從上到下互相爭奪利益,那麼國家就危險了!當前全球人類崇尚「私利」,不惜損人利己,為滿足慾望而為所欲為,則必然造成舉世危機,甚至感召全球大災難,正如《尚書・伊訓》曰:「作善降之百祥,作不善降之百殃。」

今日人類社会は様々な危機に見舞われています。――気候の危機、エネルギー危機、食糧危機、環境汚染、戦争、テロ事件など、日増しに深刻になっています。その根本を煎じ詰めれば、すべて原因は「人の心が悪くなった」ことにあります。すべては私たちが、人の本性は善であるとする、倫常道徳の教育を疎かにしたことから招いたことなのです。左伝に曰く、「人棄常則妖興」(人が常識を失えば妖怪が栄える)[3]。また管仲は、「(礼儀廉恥)四維不張,國乃滅亡」(礼・儀・廉・恥の四つの大綱を張らなければ、国は滅亡する)と説いています。さらに二千年以上前、孟子は梁の恵王に天下を治める道を説いています。もし各国の君主が自国の利益だけに関心を持ち、大夫が諸侯の領地の利益だけに関心を持ち、読書人や庶民が自分自身を利益だけに関心があるようなら、「上下交征利,而國危矣」(君主から庶民まで誰もが利益を争えば、国が危うくなる)[4]のです。国家が君主から庶民までお互いに利益を争っていれば、その国は危機に陥ります!現状では全世界の人々が「私利」(個人的な利益)を尊んで、人を傷つけて己を利することを惜しみません。欲望を満足させるために、我がまま勝手に振る舞っています。ですから世界的な危機に陥るのは必然なのであり、挙句の果てに世界中に大災害を引き起こしています。これは正に『尚書』「伊訓」に、「作善降之百祥,作不善降之百殃。」(善を行えば百の幸せが降ってくる。不善を行えば百の禍が降ってくる。)と説かれている通りです。
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[3]人棄常則妖興・・・・人常を棄つれば則ち妖興る。人が常識を失えば妖怪が栄える。(『春秋左氏伝』)
[4]「上下交征利,而国危矣」 (『孟子』梁恵王上) 上下交(こもごも)利を征(と)らば,而ち国危うし。 君主から庶民まで誰もが利益を争えば、国が危うくなる。

救世之道,惟在回歸傳統聖哲教育,虛心學習並落實老祖宗的聖賢教誨。《禮記・學記》云:「建國君民,教學為先」,乃至安身立命,教學為先;創業齊家,教學為先;禮義之邦,教學為先;穩定和諧,教學為先;國豐民安,教學為先;太平盛世,教學為先;長治久安,教學為先;甚至諸佛報土,極樂世界,無一不是以教學為先也。

救世の道は、伝統の聖賢・先哲の教育に立ち返り、ご先祖様の聖賢の教誨を虚心に学ぶことです。『礼記』「学記」には「建国君民,教学為先」(国を建て民を治めるには、教学が第一である)とあります。また生活を安定させ、心の拠り所を得るのも教学が第一です。事業を始め、家を整えるにも教学が第一です。礼儀を重んじる国を築くにも、教学が第一です。安定と調和も、教学が第一です。国を豊かにし、民を安んずるにも、教学が第一です。太平の世の中は、教学が第一です。長く社会を安定させるのも、教学が第一です。ましてや諸仏報土、極楽世界、教学を第一としないものはありません。

早在五千年前,舜以契為司徒,主管教育。類此,中國歷代君主莫不重視教育,宰相所管轄的各部中,以禮部最居優先,顯示一切行政皆為教育服務。尤其滿清王朝,對教育之重視最為明顯,恒常禮請儒釋道專家學者到宮廷中講學,皇帝帶著文武大臣共同學習聖賢典籍。《四庫全書》中有《日講四書解義》等典籍,明顯展現了清朝康乾盛世時期宮廷講學之內容實況。

五千年前、舜は契を司徒[5]として、教育を管理させました。このように、中国の歴代君主には教育を重視しない人はいませんでした。宰相が管轄する各部署の中では、「礼部」を最も優先させました。これは一切の行政が教育の為に奉仕していたことを示しています。特に清王朝では、教育を重視していたことは明らかで、常に儒教・仏教・道教の専門家を宮廷に招いて講義を行わせ、皇帝は文武大臣を連れて聖賢の典籍を一緒に学んでいました。『四庫全書』(注6)の中には『日講四書解義』等の典籍があり、その中に康熙帝乾隆帝清朝最盛期の宮廷内の状況を見ることができます。
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[5]司徒(しと)・・・・中国、周王朝の六卿の一。地官の長で戸籍・教育などをつかさどった。(大辞泉
[6]『四庫全書』・・・・清の乾隆帝(1711-1799)の勅命で編纂された中国最大の叢書。1781年に完成された。

或曰:「二十一世紀是中國人的世紀」。所以,外國人怕中國崛起要稱霸世界,威脅他國,故提心吊膽,甚至嚴加防範。淨空認為,中國的崛起,決非武力,亦非政治、科技、或經濟,而是中華傳統文化的復興和普及!

ある人は「二十一世紀は中国人の世紀である」と言います。ですから外国人は中国が世界に覇を唱え、他国を脅かすことを恐れ、肝をひやして防衛を強化しています。浄空は、中国の台頭は絶対に武力ではなく、また政治でも科学技術でも、経済でもなく、中華伝統文化の復興と普及にあると考えています!

英國著名歷史哲學家湯恩比博士更云:「欲解決二十一世紀的社會問題,唯有孔孟學說與大乘佛法。」孔孟學說即是「仁義忠恕」,大乘佛法則是「真誠慈悲」,皆是「真誠至愛」的文化。靜觀今日世界亂象紛呈,欲拯救世界,唯有復興中華傳統文化中「真、誠、愛」的教育,才能辦到。

イギリスの著名な歴史哲学者、トインビー博士は、「二十一世紀の社会問題を解決するのは、孔孟学説と大乗仏法だけである」と語っています。孔孟学説とは即ち「仁義忠恕」であり、大乗仏法とは「真誠慈悲」であり、すべて「真誠至愛」の文化です。今日世界に次々と起こる混乱を冷静に観察するなら、世界を救おうとするなら、中華伝統文化の「真」「誠」「愛」の教育を復興させる他はありません。

中華傳統文化是「愛與和諧」的文化,是以五倫、五常、四維、八德為核心的人性本善的文化。馬來西亞首相納吉先生在馬來西亞漢學院動土典禮的致辭中說到:「當鄭和在十五世紀來到了馬六甲,……他擁有摧毀或破壞當時的馬六甲王國的能力,但他選擇了建立友誼。這是為什麼呢?……鄭和與中國的子民有智慧、價值觀和品格,他們相信,他們將被視為一個偉大的文明,他們來到這裡是建立友誼,而不是為了征服」。此具體說明了中國老祖宗「凡是人,皆須愛」的和諧文化。

中華伝統文化とは、「愛と調和」の文化です。五倫、五常、四維、八徳を核心として、人の本性を善とする文化です。マレーシアのナジブ首相は、マレーシア漢学院の着工式典で、「鄭和(ていわ)[7]は十五世紀にマラッカに来ました。・・・・彼は当時のマラッカ王国を打ち破る武力を持っていましたが、友好を打ち立てる選択をしました。それはなぜでしょうか?・・・・鄭和と中国の人々には智慧、価値観、品格があり、彼らは偉大な文明と考え、そう信じていました。彼らがここに来たのは友好を結ぶ為であって、征服する為ではなかったからです。」と話されました。これは中国の先祖の「凡是人,皆須愛」(人はみな愛し合わなければならない)[8]の調和文化を具体的に立証しています。
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[7]鄭和(ていわ,1371-1434)・・・・中国明代の武将。永楽帝に宦官として仕えるも軍功をあげて重用され、南海への七度の大航海の指揮を委ねられた。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%84%AD%E5%92%8C
[8]凡是人、皆須愛・・・・凡そこれ人、皆すべからく愛すべし。『弟子規』「泛愛衆」の第一節。人はみな愛し合わなければならない、の意。

二、《群書治要》重現世間的啟示『群書治要』が再び世に現れた啓示|『群書治要』が再び世に現れた啓示

中國的唐朝,是一個多元文化和諧共榮的美好時代。唐太宗李世民(公元五九九年至六四九年)寬宏雅量,兼容並蓄,虛心學習各種宗教和聖哲學派的典籍,並帶動全國百姓學習聖賢教育。他不僅是佛教的護法,而且是所有宗教的總護法。他尊重宗教,愛護宗教,對各個宗教都能夠優容接納,平等對待。各個宗教之中真正有修行、有德行、有學問的大德,太宗都奉之為國師,常常向他們請教和學習。

中国の唐朝は、多元文化・調和・共栄の素晴らしい時代でした。唐の太宗・李世民(599-649)[9]はとても寛大で、多くのことを抱擁し、虚心に各種の宗教や聖哲学派の典籍を学び、全国民に聖賢の教育を推進しました。彼は仏教を保護しただけでなく、あらゆる宗教を保護しました。彼は宗教を尊重し、宗教を大切に護り、各宗教を寛容に受け入れ、平等に扱いました。太宗は、各宗教の中で真に修行を積んだ、徳行と学問のある大徳を国師として尊重し、いつも彼らに教えを請い、学んでいました。
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[9]李世民(りせいみん,599-649)・・・・唐朝の第2代皇帝。在位期間は626年9月4日-649年7月10日。兄の李建成を殺害し皇帝に即位した。唐王朝の基礎を固める善政を行い、中国史上最高の名君の一人と称えられる。(ウィキペディア情報)

貞觀九年(六三五年)傳教士阿羅本(Alopen)將基督教傳入中國,時稱景教,太宗遣派宰相房玄齡至西郊迎之,並親自會見。貞觀十二年,太宗頒詔於長安義寧坊建教堂一所,名為「敕建波斯寺」,以供基督教傳教。

貞観九年(635年)、宣教師の阿羅本(あらほん、アロベン,Alopen)はキリスト教を中国に伝えました。ネストリウス派と言い、太宗は宰相・房玄齢を西郊に派遣し、また自ら接見しました。貞観十二年、太宗は長安の義寧坊に教会を建てるよう詔勅を宣布しました。名称を「敕建波斯寺」[10]と言い、キリスト教布教の為に提供されました。
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[10]敕建波斯寺・・・・「敕建」は、「勅命により建造する」の意。「敕建波斯寺」は、勅命で建てられた波斯寺、という意味。

唐朝時期伊斯蘭教傳到中國比基督教更早,相傳唐高祖武德年間,伊斯蘭教創始人穆罕默德先知還在世,他派門徒四人來華傳教,其中的艾比・宛葛素於唐貞觀初年(公元六二七年)從波斯灣到達廣州,建立懷聖寺,以紀念穆罕默德聖人。

唐朝の頃、イスラム教が中国に伝わったのはキリスト教より早く、唐の高祖・武徳年間と伝えられています。イスラム教の創始者預言者ムハンマド(570頃-632)はまだ存命していました。彼は信徒四人を中国に派遣して布教させ、そのうちアブー・ワンガスは、唐の貞観元年(627年)にペルシア湾から広州に来て懐聖寺を建立し、ムハンマド聖人を記念しました。

這是國家平等對待各個宗教,因為不同宗教都是神聖與先知智慧經驗的良善教育,能夠幫助國家教化大眾,達到人民和睦相處、社會安定和諧的功效。

国家は各宗教を平等に扱いました。なぜなら各宗教はすべて神聖なものであり、また預言者智慧と経験による優れた教育だからです。国家が大衆を教化する助けとなり、人々が打ち解けて仲良くなり、社会の安定と調和に効果があるものだからです。

唐太宗在位期間,對文化的最大貢獻是命臣下彙編了一部匡世濟民的治世寶典——《群書治要》。

唐の太宗の在位期間、文化に対する最大の貢献は、臣下に命じて世を正し民を救う治世の宝典、『群書治要』[11]を編纂させたことです。
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[11]『群書治要』(ぐんしょちよう)・・・・中国・唐代初期に、治世のための参考書として編まれた書籍である。太宗の奉勅撰。(ウィキぺディア情報)

太宗十六歲隨父從軍,起義平定動亂的社會,戎馬倥傯十餘年。二十七歲即帝位後,偃武修文,特別留心於治平之道。太宗英武善辯,遺憾早年從軍,無暇讀書。鑑於前隋滅亡之失,深知創業不易,守成維艱,在位期間,鼓勵群臣進諫,批評其決策過失。令諫官魏徵及虞世南等,整理歷代帝王治國資政史料,擷取六經、四史、諸子百家中,有關修身、齊家、治國、平天下的智慧、理念、方法、效果、經驗之精要。上始五帝,下迄晉代,自一萬四千多部、八萬九千多卷古籍中,選取六十五種典籍,擷取精華,匯編成書,共成五十餘萬言,名之為《群書治要》。

太宗は十六歳で父親に随って従軍しました。動乱の社会を平定する為に蜂起して、軍務に忙殺されること十余年に及びました。二十七歳で皇帝に即位した後、戦をやめて学問を興し、特に天下太平の道に尽力しました。太宗は勇敢に善を行いましたが、残念なことに若い頃から従軍していたので、勉学する時間がありませんでした。前の隋が滅亡した失策を鑑みて、事業を始めるのは容易ではなく、先人の業績を維持するのは難しい事を深く理解し、群臣に諫言させ、方策の過失を批判することを奨励しました。諌官[12]の魏徴と虞世南等に、歴代帝王の治国施政の史料を整理させ、六経・四史・諸子百家の中から、身を修め・家を整え・国を治め・天下を平定する、智慧・理念・方法・効果・経験の精髄を選出させました。先は五帝から晋代に至るまで、一万四千部余り八万九千巻の古書から、六十五種の典籍を選出し、その精華を取り出して、書物を編纂しました。合わせて五十万字余りに及び、名を『群書治要』としました。
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[12]諌官(かんかん)・・・・天子・主君を諫める役職。

書成,如魏徵於序文中所說,實為一部「用之當今,足以鑒覽前古;傳之來葉,可以貽厥孫謀」的治世寶典。太宗喜其廣博而切要,日日手不釋卷,曰:「使我稽古臨事不惑者,卿等力也」。由是而知,貞觀之治的太平盛況,此書貢獻大矣!誠為從政求學者不可不讀之寶典。

書が完成すると、魏徴は序文の中で、「今これを用いれば、昔を鑑みるに十分であり、次の時代にこれを伝えれば、その子孫に規範を遺すことができる。」[13]もので、治世の宝典であると述べています。太宗はその広範な知識と重要性を喜び、毎日巻を手元から放さず、「私に古の道を究明させ、事に臨んで惑わせないのは、大臣にも匹敵する力である。」[14]と語っています。このことから、貞観の治[15]の平和と盛況は、この書物の貢献が大きいことが分かります!正に政(まつりごと)に参与する学者にとって、読まなければならない宝典です。
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[13]「用之當今,足以鑒覽前古;傳之來葉,可以貽厥孫謀」
今これを用いれば、昔を鑑みるに十分であり、次の時代にこれを伝えれば、その子孫に規範を遺すことができる。「貽厥」(いけつ)とは、子孫に残すはかりごと(制度や法則を指す)のこと。
「貽厥孫謀,以燕翼子」・・・・厥(そ)の孫に謀(はかりごと)を貽(のこ)して、以て翼子を燕んず。(『詩経』大雅・文王有声)
[14]「使我稽古臨事不惑者,卿等力也」をこのように意訳した。(訳者)
[15]貞観の治・・・・唐の太宗の治世。賢臣・名将に補佐され、官制を整備、領土の拡大、学芸の奨励により、国力を充実させた。(大辞泉

過去孫中山先生於三民主義講演中(民族主義第四講)曾云,「歐洲的科學發達、物質文明的進步,不過是近來二百多年的事。講到政治哲學的真諦,歐洲人還要求之於中國。諸君都知道世界上學問最好的是德國,但是現在德國研究學問的人,還要研究中國的哲學,甚至於研究印度的佛理,去補救他們科學之偏。」

かつて孫中山[16]先生は、三民主義の講演(三民主義第四講)において、「欧州の科学の発達、物質文明の進歩は、ここ二百年余りのことに過ぎない。政治哲学の精髄を語るなら、欧州人はやはりそれを中国に求めるだろう。諸君は世界の学問で最も優れているのはドイツだと知っている。しかし今、ドイツの学問を研究する人は、中国の哲学を研究しなければならず、更にはインドの仏教理論を研究して、彼らの科学の偏りを補わなければならないのである。」と語りました。
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[16]孫中山(1866-1925)・・・・孫文のこと。中山は号。1905年東京亡命中に中国革命同盟会を結成、三民主義民族主義民権主義民生主義)という政治理論を綱領とした。中国では孫文より孫中山というのが一般的。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%AB%E6%96%87

老祖宗留傳至今的格物、致知、修身、齊家、治國的智慧、理念、方法、經驗與成效,均是歷經千萬年考驗所累積的寶藏結晶。《群書治要》至珍至貴!是一部帶動中華和諧文化與道德教育在世界範圍內全面復興的寶典。果能深解落實,則天下太平指日可期!若背道而行者,則不免自招災殃,禍患無窮。

ご先祖様が今日まで伝えて下さった格物、致知、修身、斉家、治国の智慧[17]、理念、方法、経験と成果、どれも千万年の検証を経て累積した宝蔵の結晶です。『群書治要』はこの上なく得難いものです!中華の調和文化と道徳教育を導き、世界的な規模で復興する宝典です。もし深く理解して実行するなら、天下太平は実現間近と言えるでしょう!もし反対の方向へ向かうなら、自ら災いを招くことは免れず、災害は尽きることがないでしょう。
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[17]格物、致知、修身、斉家、治国・・・・『礼記』大学の一節。物事の道理を窮め正す意。「格物」は理想的な政治を行うための第一段階。(大辞泉) 平和を実現するために、個人の心を出発点としているところに着目すべきであろう。

《群書治要》在中國至宋初已失傳千年。所幸者,日本金澤文庫藏有日本僧人手寫《群書治要》的全帙。並於清乾隆六十年,由日人送回中國本土。民國初年,上海商務印書館四部叢刊和臺灣分別以此版為底本影印出版。二Ο一Ο年歲末,淨空幸得此書,反覆翻閱,歡喜無量,深刻體會古聖先賢之文化教育,的能為全世界帶來永恆之安定和平,而《群書治要》之重現,實有其神聖使命。遂欣然印出一萬套,贈給兩岸三地暨世界各國、各黨、各級領導共同學習,則對實現和諧社會、大同之治的理想必大有幫助!

『群書治要』は中国では宋代初期に伝承が絶えました。幸いにも、日本の金沢文庫には日本の僧が書き写した『群書治要』の全帙が収められていました。清の乾隆六十年、日本人によって中国本土に送り返されました。民国初年、上海商務院書館の四部叢刊と台湾が、この版を分別して底本として写真製版印刷で出版しました。二〇一〇年の年末、浄空は幸いにしてこの書を得、繰り返し閲覧しました。その喜びは計り知れません。古の聖賢の文化教育に深い感銘を受けました。これは確かに全世界に恒久の安定と平和をもたらすものです。また『群書治要』を重視することは、本当に神聖な使命だと言えましょう。喜び勇んで一万セットを印刷し、中国・台湾・香港、そして世界各国、各党、各指導者クラスの共同学習として寄贈しました。調和社会、理想社会を実現するのに大きな助けとなるものです!

這部書印出之後,中國中央黨校已經將其定為正式的課程。淨空亦向各國領導人和各大宗教領袖推介此書,皆歡喜接受。例如,馬來西亞前首相馬哈迪長老聽淨空介紹此書,即急切希望看到英文翻譯本,於是即請馬來西亞中華文化教育中心的老師們編輯《群書治要三六零》,從全書中節選精華的三百六十小段,加以註解,翻成白話文,再譯成英文,供讀者每天讀一段,一年讀完。此英文版剛編譯好之後,淨空即當面送給馬哈迪長老,長老無量歡喜。納吉首相閱讀此書之後說:「(《群書治要》中的)這些價值觀,身為領導人、部長和官員都需要展現出來的,因為這將幫助我們為人民的利益執行健全的政策。」

この書物が印刷された後、中国中央の幹部党員の教育機関は、すでに正式な課程として採用しています。浄空は各国の指導者と各宗教の指導者にこの書物を推薦しましたが、皆喜んで受け取られました。例えば、マレーシアの前首相マハティール長老は浄空がこの書物を紹介しているのを聴いて、すぐに英文の翻訳本を見たいと希望されました。そこでマレーシア中華文化教育センターの先生方に『群書治要360』の編集を依頼しました。全書の中から精髄である三百六十の小段を選出し、註解を加え、口語文に翻訳し、更に英文に翻訳しました。読者は毎日一段読めば、一年で読み終わります。この英文版の綱領を訳し終えた後、浄空は直接マハティール長老に送りました。長老はたいへん喜ばれました。ナジブ首相はこの書物を読んだ後、「(『群書治要』の中の)これらの価値観は、指導者・長官・役人にとって必要なことがすべて展開されている。これは私たちが人民の利益の為に、健全な政策を執行する助けとなるものだ。」と話されました。

淨空肯定,這部書可以幫助全世界化解衝突,促進社會安定和平。我們希望這個地球上永遠沒有戰爭、永遠沒有衝突,希望每個族群、每個人都能得到幸福美滿的生活,則落實此書必能實現。由此可知,二十一世紀是中華文化的世紀,是《群書治要》放大光明的世紀!

浄空はこの書物が全世界の衝突を解消する助けとなり、社会の安定と平和を促進すると確信します。私たちはこの地球上に永遠に戦争がなくなり、永遠に衝突がなくなり、どの民族も、誰もが幸せな生活を送ることができるよう願っております。この書物を実行すれば必ず実現できるでしょう。このことからも、二十一世紀は中華文化の世紀だという事が分かります。『群書治要』が大きな光明を放つ世紀です!

三、學習與弘揚的方法学習と発揚の方法|学習と発揚の方法

聖賢傳統文化實為一切眾生自性流露,超越時空,亙古彌新。學習關鍵,端在「誠敬」二字。《曲禮》曰:「毋不敬。」前清康熙曰:「臨民以主敬為本。」又曰:「誠與敬,千古相傳之學,不越乎此。」程子曰:「敬勝百邪。」印光大師曰:「一分誠敬得一分利益,十分誠敬得十分利益。」說明修身進德、學問事業、利世濟民,唯「誠敬」二字,方能圓成。若對古聖先王之教育毫無誠敬,縱遍覽群籍,亦難獲實益。

聖賢の伝統文化は、一切の衆生の自性(私たちが本来備えている真の性質)の流露であり、時空を超えて、古今に通ずるものです。学習の要点は、「誠」(至誠)「敬」(敬愛)の二字が糸口です。『曲礼』に曰く、「毋不敬」(敬わざることなかれ)。清の康熙帝曰く、「臨民以主敬為本」(民に臨みて主敬を以て本と為す)、また曰く「誠與敬,千古相傳之學,不越乎此」(誠と敬とは、千古相伝の学、此れを越ふるものあらざるか)。程子曰く、「敬勝百邪」(敬は百邪に勝る)。印光大師曰く、「一分誠敬得一分利益,十分誠敬得十分利益」(一分の誠敬は一分の利益を得、十分の誠敬は十分の利益を得る)。これらは、身を修め徳を積み、学問・事業を行い、世に益をもたらし民を救済するのは、ただ「誠」「敬」の二字によってのみ成就できるという事を立証しています。もし古の聖人・君主の教育に対する「誠」「敬」が無ければ、多くの典籍を見ても、実益を得ることは困難でしょう。

「誠敬」二字亦與《大學》之道相應:「知止而後有定,定而後能靜,靜而後能安,安而後能慮,慮而後能得」。當學者學習聖賢之道(止於至善),必先立定志向,而後能制心一處,心不妄動(靜),則一切順逆境緣所處皆安,進而智慧現前,明瞭聖賢道理(慮),最終證得聖賢境界(得)。

「誠」「敬」の二字は、また『大学』の道にも通じています。「知止而後有定,定而後能静,静而後能安,安而後能慮,慮而後能得」((至善に)踏み止まることを知ってこそ、心を定めることができ、心を定めてこそ、心を平静にすることができ、心を平静にしてこそ、心を安らかにすることができ、心を安らかにしてこそ、物事を正しく考えることができ、物事を正しく考えてこそ、(至善に)達する事ができるのである。)[18]。聖賢の道(至善にとどまる道)を学ぶ者は、必ずまず「定」を立てることを志し、後に心を一つに集中し、心を無闇に動かさず、一切の順境・逆境において安らかに過ごし、進んでは智慧を働かせ、聖賢の道理を明瞭にし、最後に聖賢の境地を得るということです。
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[18]「知止而後有定,定而後能靜,靜而後能安,安而後能慮,慮而後能得」(『大学』冒頭の一節)
※以下、岩波文庫(青)の『大学・中庸』から読み下し文を参照、訳は筆者の意訳。

知止而後有定,
止まるを知りて后(のち)定まる有り、(至善に)踏み止まることを知ってこそ、心を定めることができ、

定而後能靜,
定まりて后能(よ)く静かに、 心を定めてこそ、心を平静にすることができ、

靜而後能安,
静かにして后能く安く、
心を平静にしてこそ、心を安らかにすることができ、

安而後能慮,
安くして后能く慮(おもんぱか)り、 心を安らかにしてこそ、物事を正しく考えることができ、

慮而後能得。
慮りて后能く得。 物事を正しく考えてこそ、(至善に)達する事ができるのである。

目前《群書治要》的流通,已引起廣泛的關注和興趣。若須持久推廣,須有師資人才。馬來西亞漢學院,便是培養《群書治要》師資人才的理想學校。

目下『群書治要』の流通について、すでに幅広く興味・関心を持たれています。もし長期的に推進するなら、必ず教師となる人材が必要です。マレーシア漢学院は、『群書治要』の教師となる人材を育成する理想的な学校です。

《群書治要》的內容,從六十五種古籍裡選出,我們需要至少六十位老師,一門深入十年薰修,則皆成為世界一流的漢學家,身行言教,講解教導此書。若資源允許,則希望每一種書能有三位老師組成小組來深入學習,共約兩百人。例如,《論語治要》小組,《易經治要》小組,《尚書治要》小組,《詩經治要》小組,等等。老師們放下自私自利,放下名聞利養,立志成聖成賢,為世界永久和平、人類真實幸福,貢獻愛心與智慧,用十年專攻一部書,務求知行合一,將所學之聖賢道理落實於自己的生活工作。十年之後,他們都是世界頂尖的專家學者。

『群書治要』の内容は、六十五種の古書から選出したものですから、私たちは少なくとも六十名の教師が必要です。一つの門に深く入り、十年の研鑽を経れば、世界で一流の漢学者になることができるでしょう。身をもって行為と言葉で教え、この書を解説して教え導きます。もし可能であれば、各書ごとに三人の教師がグループを作って深く学ぶと良いでしょう。合計で約二百人です。例えば、『論語治要』のグループ、『易経治要』のグループ、『詩経治要』のグループ、という具合です。教師たちは私利私欲を捨て、名聞利養を捨てて、聖賢になる志を立て、世界の永久の平和、人類の真の幸福の為に、愛と知恵を貢献して、十年かけて一冊の書を専攻し、知行合一を願い、聖賢の道理を自己の生活や仕事において実行しなければなりません。十年後、彼らは世界最高の専門家になるでしょう。

如此六十五個學科的專家團隊,即是一部活的《群書治要》,皆為治世聖哲大師。他們每天可借助遠程教學工具向全球直播,講解這六十五種書的精華,同時培養下一代老師,一代一代傳下去,則中華文化永遠是主導全球的文化。中華文化是全人類共有的文化遺產,人人有份,人人應當學習。世界永遠是太平盛世!淨空今年八十六,暮年之人,有心無力矣。惟願有仁人志士發此大心,成就此無量功之大事業,為往聖繼絕學,為萬世開太平!斯人即是佛、菩薩、救世主再世。

このように六十五学科の専門家集団は、即ち生きた『群書治要』なのであり、全員が世を治める聖哲の大師になるのです。彼らは毎日遠距離教育の技術を借りて、全世界に向けて衛星放送を行い、六十五の書の精華を解説し、同時に次世代の教師を育成します。そうして代々伝えていけば、中華文化は永遠に世界の文化を導くでしょう。中華文化は人類が共有する文化遺産であり、誰もが分かち合い、誰もが学習すべきものです。世界は永遠に太平の世となるでしょう!浄空は今年八十六の晩年を迎えており、「心はやれど力及ばず」です。ただ高い志を持った人が、この計り知れない功徳の大事業を成就させ、「昔の聖人の為に途絶えた学問を継承し、後世何代も続く世の為に平和を築く」こと[19]を、発心されることを願っています!その人は即ち仏であり、菩薩であり、救世主の再来です。
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[19]「為往聖継絶学、為万世開太平」 往聖の為に絶学を継ぎ、万世の為に太平を開く。 昔の聖人の為に途絶えた学問を継承し、後世何代も続く世の為に平和を築く。(意訳)

結語|結び

在座的諸位仁者大德,都是從事教育的專長人才,負有為人類社會培養優秀棟樑的偉大使命。淨空虔誠至心希望大家發心學習《群書治要》,學習老祖宗修身濟民的大智慧,然後廣為弘揚,培養後學,功德無量!將來我們希望建立一座衛星電視台,每天二十四小時向全世界播放《群書治要》的教學課程。果能如此大力弘揚聖賢教育,相信不久的將來,全世界人類都會覺醒。這一切都有賴大家共同發心,攜手努力。祝願此一大事因緣早日成就,大同世界早日來臨,淨空今日在此代表一切眾生祈請!感恩大家!謝謝大家!

着席されている仁者大徳の皆様は、すべて教育に従事されている専門の人材であり、人類社会の為に重要な役割を担う人材を育成する、偉大な使命を担われています。浄空は、皆様が発心して『群書治要』を学習し、身を修め民を救済するご先祖様の大きな智慧を、学習される事を心から願っています。そして広く発揚し、後学を育成すれば、その功徳は計り知れません!将来私たちは衛星テレビ局を建設し、毎日二十四時間、全世界に向けて『群書治要』の教育課程を放送したいと考えています。もしそのように聖賢の教育を強力に発揚できれば、近い将来、全世界の人類は覚醒するでしょう。そのすべては皆さんが共に発心し、手を携えて努力することにかかっています。この一大事の因縁が一日も早く成就し、平和な社会が一日も早く近づきますよう、浄空は今日一切の衆生に代わり祈念致します!皆様に感謝いたします!ありがとうございました!

―――『群書治要』を学び救世の使命を担う(完)―――