半懂

印光法师文钞

群書治要三六〇(3-172)

172.一天下者,令於天下則行,禁焉則止。桀、紂令天下而不行,禁焉而不止,故不得臣也。目之所美,心以為不義,弗敢視也;口之所甘①,心以為非義,弗敢食也;耳之所樂,心以為不義,不敢聽也;身之所安,心以為不義,弗敢服②也。然則令於天下而行,禁焉而止者,心也。故曰:「心者,身之君③也。」天子以天下受令於心,心不當,則天下禍;諸侯以國受令於心,心不當,則國亡;匹夫以身受令於心,心不當,則身為戮矣。(卷三十六 尸子)

【注釈】
①甘:以為甘美。②服:使用。③君:主宰。

【白話】
統一國家,就是整個國家能夠有令則行,有禁則止。夏桀、商紂在位時,有令不行、 有禁不止,所以不能統屬民眾。眼睛覺得美麗的東西,自己內心認為看了不合道義,就不敢去看;嘴巴覺得美味的食物,自己內心認為吃了不合道義,就不敢去吃;耳朵覺得悅耳的聲音,自己內心認為聽了不合道義,就不敢去聽;身體覺得安適的東西,自己內心認為用了不合道義,就不敢享用。可見,能使天下有令就行、有禁就止,是人心在起作用。所以說:「心,是自身言行的主宰。」君王以自己的存心治理國家,如果存心不正,國家就會遭到禍殃;地方長官以自己的存心治理行政區域,如果存心不正,所治理的地區就會敗亂;個人以自己的存心立身處事,如果存心不正,就會惹來殺身之禍。

【日本語訳】
国家を統一することは、国全体に行き渡るような法令と禁則ができるということです。夏の桀や商の紂が在位していた時は、法令や禁則があっても実行できていなかったから、民を統べることができませんでした。目で見て美しいと感じたものでも、心では道義に合わない物だと思うと、見ないようにします。口で美味しいと感じたものでも、心では道義に合わない物だと思うと、食べないようにします。耳で聞いて心地良いと感じたものでも、心では道義に合わない物だと思うと、聞かないようにします。身体では気持ち良いと感じる物でも、心では道義に合わない物だと思うと、享受しないようにします。このことから分るように、天下の法令と禁則が実行できるのは、人の心に働きかけているからです。ゆえに、「心とは、自分の言行の主宰です」とも言われています。君主は自分の心積もりで国を治めているから、もしその心が正しくないと、国は禍に遭ってしまいます。地方の長官は自分の心積もりでその地域を治めているから、もしその心が正しくないと、地域は衰退して混乱になります。個人は自分の心積もりで立身処世しているから、もしその心が正しくないと、殺生の禍を招いてしまいます。

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