半懂

印光法师文钞

群書治要三六〇(4-45)

45.初謀伐吳,紞與充、勗共苦諫,世祖不納,斷從張華。吳平,紞內懷慚懼,疾華如讎。及華外鎮,威德太著,朝論當徵為尚書令。紞從容侍帝,論晉、魏故事,因曰:「臣常謂鍾會之反,頗由太祖。」帝勃然曰:「何言邪?」紞曰:「臣以為,夫善御者,必識六轡盈縮之勢;善治者,必審官方控帶之宜。是故漢高八王,以寵過夷滅;光武諸將,以抑損克終。非上之人有仁暴之異,在下者有愚智之殊。蓋抑揚與奪,使之然耳。鍾會才具有限,而太祖獎誘太過,喜其謀猷,盛其名位,授以重勢。故會自謂策無遺策,功在不賞,張利害,遂搆凶逆耳。向令太祖錄其小能,節以大禮,抑之權勢,納之以軌度,則逆心無由而生,亂事無階而成。」世祖曰:「然。」紞稽首曰:「愚臣之言,宜鎮堅冰之道,無令如會之徒,復致覆喪。」世祖曰:「當今豈有會乎?」紞曰:「陛下謀謨之臣,著大功於天下,四海莫不聞知。據方鎮、總戎馬之任者,皆在陛下聖慮矣。」世祖默然。徵張華為太常,尋免華官。(卷三十 晉書下・傳)

【白話】
當初,晉世祖準備伐吳,馮紞和賈充、荀勖一起苦心竭力地規勸。世祖不聽其勸阻,並斷然聽從張華力主伐吳的意見。吳國被平滅後,馮紞心懷羞慚與恐懼,嫉恨張華如同仇人。等到張華外任鎮守一方,聲威與德行大為顯著,馮紞在朝議認為應徵召他回朝任尚書令。馮紞一次陪侍武帝,不慌不忙地談論起魏晉的舊事,說道:「臣常認為鍾會的反叛,多半是由太祖(司馬昭)造成的。」世祖聽了大怒說:「你說的是什麼話!」馮紞回答說:「臣認為善於駕馭馬車的人,一定懂得駕馭馬車的六條繮繩鬆緊的形勢;善於治理國家的帝王,一定清楚為官的道理和控制官員權位等事宜。所以漢高祖分封的八個異姓諸侯王,因過於榮寵而導致誅滅;光武皇帝駕前的幾位將領,由於給以限制而能善終。這不是做君主者有仁愛、殘暴的區別,也非做臣子的有愚鈍、聰敏的不同,是因為妥善運用限制、顯揚、賜予、剝奪的手段,才使他們有這樣的結局罷了。鍾會這人,才能有限,而太祖對他的誇讚獎賞過多,因欣賞他的謀略,而提高他的名位,授以重權,故而導致鍾會自以為他的策略無與倫比,功勞極大,於是張揚跋扈,終於造成了他反叛朝廷的罪惡。如果往昔太祖採用他的小聰明,又以禮法對他加以節制,限制他的權力,使他進入正軌,那麼他叛逆的心就無法產生,叛亂的事也就無從生成了。」世祖說:「你說得對!」馮紞又向世祖跪拜行禮說:「對愚臣的這番話,聖上應該想想積過成禍的道理,不要讓像鍾會那樣的人,再次擾亂傾覆喪亡天下。」世祖問:「當今還有像鍾會那樣的人嗎?」馮紞說:「陛下駕前有出謀獻策的臣子,他的大功顯露於天下,國內無人不知。作為軍事長官占據鎮守一方,統領兵馬之重任的人,都在陛下考慮的範圍之內呀!」世祖沉默不語。之後徵召張華任太常官。不久,又免去了張華的官職。

【日本語訳】
その昔、晋の世祖が呉を討伐しようとした時、馮紞と賈充、荀勖は賢明に止めようとしました。しかしながら、阻止したかいもなく、世祖は呉を討伐するべきだという張華の意見を聞き入れたのです。呉が滅亡されてから、馮紞は羞恥の念と恐怖心にかられて、張華を目の敵にしました。しかしながら、遠方を鎮守することになった張華の人気と品性がますます目立つようになると、馮紞は朝議の時に、張華を朝廷に呼び戻して尚書令に任命すべきだと言いました。ある時、武帝のお供をしていた馮紞はゆったりと魏晋の昔話を切り出しました。「鐘会の反逆は、太祖(司馬昭)様のせいだと常に思っております。」それを聞いた世祖は激怒しました。「何たることを言っておる!」馮紞は答えました。「馬車を御するのに長けている者は、馬車にある六つの縄の緩み加減が分かるはずだと、私は考えております。国を治めるのに長けている帝王は、官員とは何たるものか、そして官員の権勢を制御することをよく分かっているはずです。漢の高祖が位を与えた八人の異姓の諸侯は、身をすぎた栄光と寵愛のせいで身を滅ぼしました。光武帝に仕えていた何人かの将領は、制限を設けられていたために、人生を全うできたのです。これは君主たる者に仁愛、残虐などの違いがある訳ではありません。臣下に愚鈍や聡明の違いがある訳でもありません。制限、表彰、給与、剝奪の手段を上手く運用したからこそ、彼らはいい結末を迎えられたのです。鐘会という者は、限られた才能しかないのに、太祖様から過剰な称讃とご褒美を貰っています。彼の謀略を気に入っているため、その地位を向上させ、多くの権利を与えました。だからこそ、自分の策略は比べられないほど素晴らしく、極めて大きな功労を持っていると勘違いした鐘会は威張りちらして、謀反するまでになってしまいました。もし太祖が鐘会の小賢しい意見を取り入れながら、礼法で彼を節度のある正しい道に導いたのならば、彼に謀反の気持ちが芽生えるはずはなく、謀反のこともありえなかったでしょう。」世祖は言いました。「あなたの言う通りです!」馮紞はまた世祖に跪いてお礼をしてから言いました。「申し上げた通りに、過ちは積もれば災いとなるということの意味を、陛下はよくよくお考え下さるべきです。鐘会のような者にまた天下を乱されてはなりません。」世祖は聞きました。「今でも鐘会のような者がいますか?」馮紞は言いました。「陛下の御前にもやたらと謀略をめぐらす臣下がいましょう。その者の功績は天下に広く知られており、国内では知らない者などいません。軍の長官として地方を鎮守しており、兵士や軍馬を統べる重責を負う者ならば、みな陛下が考慮なさる対象になりましょう!」世祖は何も言いませんでした。それから、世祖は張華を太常官に任命したが、間もなく、その官職をはく奪しました。

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